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愛知県の中でもたくさんの地域を管轄する「愛知県動物保護管理センター」。本所の他に3支所、尾張支所、知多支所、東三河支所を設け、動物の保護・管理・譲渡など様々な取り組みを行なっています。今回、LEONIMALは愛知県動物保護管理センターにお話を伺ってきました。様々な背景から捕獲・持ち込みされた動物たちと直に接し、動物と人とのあり方について常に現実と向き合っている、まさにいのちの現場です。全6回に渡り、センターに入ってくる動物たちの現実や、センターが不幸な境遇におかれる動物たちを減らすべく取り組んでいることをインタビュー形式でお届けしてまいります。最終回は、災害時に大事なペットを守るために、今からできることについてお伝えします。


LEONIMAL(以下:LE):予防注射、鑑札、ワクチン、ノミやダニの予防、避妊っていうのは日常生活ではもちろんのこと、災害時にも重要なポイントになってくると思うのですが、いかがでしょうか。

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愛知県動物保護管理センター(以下:センター):予防注射や鑑札に関しては、災害発生時に同行避難をしたとしても、その先で逃げ出してしまうというケースもありますので、重要です。鑑札や迷子札などで飼い主明示や所有者明示があれば、放浪している犬や猫の飼い主さんを見つけ出すことが可能になります。

避難所では、人間だけでなく、犬猫でもパニックを起こしやすくなります。いつ逃げ出しちゃうか分かりませんので、すぐ見つけ出せるような手段が必要だと思います。

また、逃げ出してしまったときに、見つけてくれた方たちに危害がないように、日頃から予防注射をしておくことは飼い主の責任でもあります。特に犬に関しては、狂犬病予防法で、飼い主さんの義務として定められています。

あとは、ワクチン接種は別としても、ノミ・ダニ対策は人の健康を害さない意味でも重要です。同行避難時にこれらの対策をしていないペットが入っちゃうと、どうしても周りの環境を悪くしちゃう。ひいては避難所に犬や猫を連れてこないでくれという話にもなってしまいかねません。1日2日ですぐ帰れればそんな大きな問題にはならないかも知れないですが、長期間になってくると人間も動物もストレスがたまってしまいますから。

聞いた話では、実際に人間にも被害が及ぶっていうような事で犬猫の持込みが禁止された避難所があったようです。あとは、避妊去勢がしてないって事になるとさっき言った望まれない命が生まれて来る可能性もあると思います。どうしても発情期になると、ギャーギャーと鳴き声をだしてしまうので、避妊去勢はそれを無くす意味でも良い効果があります。

皆が皆犬猫好きな人ばっかりではない訳ですので、同行避難をする事を前提で考えるのであればやはり避妊去勢はしておくべきだと思いますね。

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LE:わんちゃん猫ちゃんが避難所で受け入れられないことに対して反発もあったりすると思うのですが、やはり飼い主さん達の飼っている犬猫が嫌われないように、ちゃんと準備しておくというスタンスが大事なのでしょうか。

センター:そうですね、動物の好きな人ばかりではないですし、動物が苦手な人やアレルギーのある人にも配慮が必要だと思います。しつけがちゃんと出来ているかが重要なポイントになるでしょうね。

LE:自分の飼っているペットをきちっとしつける事が出来なくて困っている方も一部は居ると思います。『いっしょに逃げてもいいのかな?展』などでもオーナーオタスケカードという、ペットを守るためにやれる5つのコトを提示しています。その一つに社会化というのがありますが、見たとたんに「うちの子は無理だなぁ」とおっしゃる方もいます。しつけがちょっと上手く出来てない時に、どういった助け舟があったりするのでしょうか。

 

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【ペットの社会化】
人懐っこく育てることで保護しやすくなります。飼い主以外の人間とも仲良くなれれば、避難所等で共同生活を送る場合はもちろん、飼い主に万が一のことがあった場合にも、世話をしてもらったり、新しい飼い主に引き取ってもらうことができ、安心です。
※いっしょに逃げてもいいのかな?展の内容をWEBで体験してみてね。

 

 

センター:なかなか難しいけど、まずはケージやクレートにきちんと入れるかどうかだと思います。少なくともその訓練だけはしておかないといけないのかなと。避難所でもそれぞれの状況にも寄りますし、どういうふうに犬猫を分けるかにもよりますが、避難所が準備したケージに入るか、もしくは自分で持ってきたケージに入るかどちらかができない限りは、そこに居させることが難しくなってくるのではないかと思うんですね。外に繋いでおくなんて事が出来ない子もいると思うので少なくともケージに入って、入ったときにおとなしく居られるかどうかっていう事だけは必要かなと思います。普段からそういう訓練というかトレーニングはしておくべきかと思います。

もう老犬だから無理だわっておっしゃられる方もいるかも知れないけど、いくつからでも無理ということはないです。大切なのは習慣なので、ある程度歳を取っていても入ってそこに居るトレーニングは出来るかと思います。飼い主さんが諦めちゃってるかどうかだと思うんですね。可愛いペットであれば、離れて暮らすっていうのは望んでおられるわけではないと思いますので、ちょっと大変かも知れないけどケージトレーニングだけはできる範囲でお願いしたいです。お座り・お手が出来なくてもいいので。

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LE:愛知県ですと避難所で同行避難・同伴避難に対して今現状どういった対応なのかなと。

センター:同伴避難でこう対応するっていう決まりを県として提示しているわけでは無いですね。実は避難所の管理運営っていうのは市町村が管轄し、市町村にお願いをしている部分になります。まずは市町村や避難所の実情に合わせた運営を行っていく必要があるかと思います。市町村から飼い主さんに対しても配慮して貰うようにお願いをしていくっていう事でしょうね。

しかし、例えば避難所の施設がどんな施設かということによっても変わってきます。避難所になる所が例えば病院や幼稚園などの大きな施設で、もともと動物が立ち入り禁止になっているところもある。無理に入れさせる訳にもいかないのです。いかにそこを理解して頂くかだと感じます。

なかなか難しい部分なのですが、一番小さいコミュニティの中でそれぞれが柔軟に判断して頂くっていう事、理解を得ていくっていう事が大切だと考えます。飼い主さんのモラルが問われる部分があるので、我々としては飼い主さんに、普段から同行避難のために大切な事、例えば犬の躾や避難所で過ごすのに必要な物というような事を啓発していって、モラルの素地を醸成していければと思います。

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LE:同行避難っていうのが、まず「一緒に逃げる」っていう事だと思いますが、実際に避難所で過ごせるかどうかっていうのは市町村と避難所の運営者の判断によって異なるところです。その避難所の運営者の方とか市町村の方とかが飼い主さんへの啓発と、運営も具体的にどう行なうのかも一度考える機会を持った方が良いという事ですよね。

 

LE:実際に災害が起きた場合に、避難所の状況や環境によって同行避難は難しく、家も倒壊してしまい、犬を置いて行けない場合に、センターに相談が来る事が想定されると思うんですけども、例えば東日本の時に福島とかでは行政がシェルターみたいなのを緊急で立ち上げているところもありました。そういった事は想定されたりとか全国の管理センターとか厚生労働省や環境省の中で一定のガイドラインなんかを作られたりとかはあるんですか?

センター:同行避難というわけでは無いんですけど、今年2月に愛知県と県の獣医師会とで、「動物救護活動に関する協定」というものを締結しております。東海・東南海地震とかが起こったときには協力して被災動物の救援活動をするような形にはなってます。

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LE:具体的にはどのような話があるんですか?

センター:まだこの間出来たばっかりで、これから色々詰めて行かないと部分もありますが、協定の中には被災動物の治療も含めてあります。同行避難が出来ない様な時にはシェルターを、どこにどうするかっていうのはまだ、想定は出来ない部分はあるんでしょうけど、県と獣医師会の方とで詰めて検討していくと思います。シェルターというか収容施設みたいなものをね。どういう形になるかまだ分かりませんが。

LE:そういう動きが少しずつ進んでいるのですね。

センター:そうですね。まぁどこまで出来るかって言うのがまだ決まってはいない状況ではあります。県と協定は結んではいますけど、例えば個々で今後市町村とも協定を結んだりする事もあるので、そうなった時にはまずはそちらの市町村との協定を優先的にやって貰って、そこで支援が出来ない部分を今度は県がやりましょうという形になってきますので。徐々に内容が決まってくるのではないかなとは思います。


第一回「なぜ、たくさんの動物が保護・収容されるの?」
第二回「不幸ないのちを生まないために」
第三回「譲渡数を増やすよりも、苦境におかれる動物を減らすほうが大切。」
第四回「なんとか少しでも生かしてあげたい。愛護団体に支えられて。」
第五回「保護動物を家族に迎え入れるにあたって。」
第六回「災害時に大切なペットを守るために。」


写真:服部たかやす
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PROFILE
1970年愛知県生まれ。写真家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。独学で写真を学び、雑誌専属カメラマンを経て、写真家として活動を開始。“人”を中心に、土地、文化、歴史、自然を重層的に捉えて撮影するスタイルで作品を製作。ドキュメンタリー的な視点を持ちつつ、フォトグラフィー、アート、デザインの間を往還する写真を撮り続けている。01年、動物愛護センターに集められ、譲渡を待つ子犬をテーマにした写真集『ただのいぬ。』(PIE BOOKS&角川文庫)を発表。05年、世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催された写真展「ただのいぬ。展」は入場者5,000人を数え大きな反響を呼んだ。著書に『Do you have a home?』(ジュリアン)、共著に『写真以上、写真未満』(翔泳社)等。保護犬の存在を通じて犬と人との関係を考えるアートプロジェクト、「ただのいぬ。プロジェクト」の主宰。