2016年4月23日から5月22日まで開催されました「いぬと、ねこと、わたしの防災〜いっしょに逃げてもいいのかな?展」のレポートをお届けいたします。
本展示会は公益財団法人せたがや文化財団 生活工房主催にて、「もしも」の時にペットを守るため、そして同行避難をした場合、ペットと飼い主とまわりの人びととの間でどんな問題が起こるのかリアルに想定し、ふだんからどんなことができるか、来場者とともに考えることを目的に、2016年4月23日から5月22日まで開催されました。動物と暮らしている人も、暮らしていない人も、いっしょに考える展覧会として様々な層の方々にご来場いただきました。改めて展示会の全貌をレポートいたします。
●企画制作:Lucy+K / LEONIMAL BO-SAI ●特別協力: NPO法人ANICE ●協力: 世田谷獣医師会 ●後援: 世田谷区 / 世田谷区教育委員会
飼っている人も、飼っていない人もいっしょに考えるきっかけづくり
展示会では、はじめに災害が発生してからペットと飼い主に起こりうることを時系列で解説。さらに飼っている人・飼っていない人双方の意見や専門家の見解などを広く紹介し、同行避難に必要なモノだけでなく、普段からのコミュニティとの関わりや、自主的に話し合い・解決策を見つけようとする気持ちの大切さなどを「いっしょに考える」場として企画しました。
- ごあいさつ&本展の主旨
- 災害発生~避難まで
災害が発生してから3日間を3つのケースを想定して時系列で解説
1)自宅で一緒に被災 2)外出時に一緒に被災 3)外出時に別々に被災
- 避難所 生活空間4つのケース
避難所でのペットと飼い主の生活空間について4つのケースを紹介
- 同行避難への意識調査
ペットを飼っている人・飼っていない人それぞれの同行避難に対する意識調査結果
- 疑似避難体験避難所の生活空間の一例を再現
- 専門家の見解
- 同行避難に関する専門家の見解をご紹介
- みんなの意見
- 来場されたペット飼っている人・飼っていない人が自由に意見を交わすコーナー
- いっしょに逃げる備え
- ペットとの同行避難に必要なモノだけでなく「いのちを守りぬく」気持ちの面も含めた「備え」
- クリエイターが考えるペットとの避難アイテム
- クリエイターによるペットと防災をテーマにしたグッズの提案とアプリの提案の特別展示
特別展示 「クリエイターが考えるペットとの避難アイテム」
建築、プロダクトデザイン、インテリアデザイン、ペットのための空間提案等、様々な分野で活躍されているクリエイターさんたちが、「ペットとの避難」をテーマにアイテムを提案。日常の生活シーンからコミュニティ全体までを見据えた作品が展示されました。
- 山本和豊(dessence) ノックダウン式かつフラットパックで車に載せて日頃から備えられるケージ
- 江口理架(29design) ペットのプライバシーも守る折り畳み可能なハウス
- 福元成武(TANK) 物流×自治体で高齢者とペット両方を守る「公助物流」の仕組み
- 小林恭+マナ(設計事務所ima) インテリアにもマッチする防災リュック(LEONIMALリュック型ペットキャリーGRAMP)
特別展示 「ペットとの防災に役立つアプリ」
動物福祉を科学するペット災害のスペシャリスト NPO法人ANICE代表 平井潤子さんとアプリ開発のスペシャリストZAPPALLAS 長谷川晃一さんのコラボによるアプリの企画展示。何か起こった時にだけ利用するのではなく、日常の生活の中に溶けこんで、すこしずつ防災の意識やペットとの共存を意識させられるアプリの構想・展示がされました。
5/7開催 トークセッション「もしものために、必要なもの」
NPO法人ANICE代表 平井潤子さんと、特別展示にご参加くださった5名のクリエイターさんとのトークセッション。はじめに、折しも発生してしまった熊本で実際に起こっていること、そして同じ日本でも場所によって生じうる状況の違いについて言及されました。それを踏まえて、普段から地域での動物の飼育に関わるモラルやマナーを守り、いかに避難所という一つのコミュニティに自主的に提案し、働きかけをするかが大切か、事例を交えた意見交換が展開されました。
5/21開催 ワークショップ「迷い子チラシ」
アートディレクション、プロダクトデザイン、作品制作などで今アツい注目を集める「KIGI」の植原亮輔さん・ 渡邉良重さんを講師としてお迎えし、「見つけてもらえる」ポスターの作り方を楽しくレクチャーいただきました。ペットの特徴が伝わるようなキャッチコピーやイラスト制作を通じて「自分の大事な家族であるペットへの愛情を再確認する時間にもなった」との声が参加者の皆様から多数上がりました。