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デザイン事務所「株式会社KIGI」のお二人にお話を伺いました。

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LEONIMAL:以下リオ)  
ではまず、植原さんにお伺いします。現在のご家族をおしえてください。

植原さん)
以前はゴゴという雌犬とオギーという雄猫を飼ってまして、今はロロ(正式名称:ロログリーン)という雌犬を飼っています。
ゴゴは、一度長期間両親に預けたことがあったんですが、そのときすっごく気に入っちゃって、連れて行かれたんですよ(笑)
それからオギー。オギーはね、それはもう溺愛してました。

リオ)
オギーさんのお話、詳しくお聞かせいただけますか。

植原さん)
オギーはたくさん病気をして、最後は本当につらかったと思うんですが、いろいろ教えてくれる猫でした。
ある日、洗面所に鮮血があったんですね。髭剃りの痕かなんて思ったんですが次の日もあったんですね。何かなって見てたら、オギーがさっと洗面所に登って、ちゃんとお座りして、洗面所にタラーって血を落としたんですよ。
トイレじゃなくて、洗面所で、しかも僕が見てる前で。これはもう教えてくれてますよね。

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植原さん)
あとはオギーは2回の血栓を乗り越えてるすごい猫なんです。血栓って血が詰まっちゃって、下半身に血が溜まって、後ろ足が動かせなくなる病気なんですね。歩けないし、激痛だったと思いますよ。
3回目も、僕が帰ってくるのを待ってたかのようにしてなって。
すぐ病院に連れて行ったんですが、だめでした。

リオ)  
オギーさんと植原さんの関係って、もちろん言葉のやり取りはないんですけど、なんだか熟練夫婦みたいで素敵ですね。

植原さん)
いや、でもオギーは雄猫だからおっさん同士ですけどね(笑)寝てると首元によって来て、僕の首元をもみもみするのがが大好きだったんですけど、僕も大好きだからもみもみしてあげるんですね。
そするともう、オギーは恍惚の表情で僕のことを見るんですね。
よだれダラーんってして。よだれが混ざり合わないようにだけ気を付けました(笑)。

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植原さん)
今日持ってきてくれてるそのリュックはなんなの?

リオ)
話を振っていただいてありがとうございます(笑)リオニマルのリュックは災害対応なんですよ。

渡邉さん)
これは画期的ですね。

植原さん)
まず見た目がすごくお洒落でいいですね。アイデアが素晴らしい。

リオ)  
ありがとうございます。そうなんです、このケージはみなさん移動のことはしっかり考えていただくんですが、移動後の生活についてはなかなか考えることがないので、居住空間として広げられるようにしました。

植原さん)
避難所では確かに必要だろうね、あとは災害のときだけじゃなくてキャンプにも使えそう!背負ってみたら重くないし。いいなぁ、これ。

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リオ)  
渡邊さんもぜひぜひ。

渡邉さん)
うん、ほんとだ。背負うとぴったりくるね。

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リオ)  
お二人とも本当にお似合いで。ありがとうございます。


リオ)  
ではお話戻しまして、渡邉さんにお伺いさせてください。

渡邉さん)
うちには今、ミーちゃんという猫がいます。
元々は山口県の実家に住んでまして、野原を駆け回ってたんです。父がすでに高齢だったので、亡くなったら世話は誰がするんだっていう問題がずっとあって、姉はいつも心配していました。
そうやって言ってたのにいつの間にか増えちゃってて(笑)

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渡邉さん)
父は100歳で亡くなったんですが、その時、1頭の犬と、2頭の猫がいたんです。
そのうち1頭の犬と1頭の猫は譲渡されたんですが、譲渡は難しくて、うちに来てくれたのがミーちゃんです。
本当に今思えば奇跡ですよね、3頭もいて、今全員が幸せなのは。
これは父が天国から見守ってくれているからだと本当に思います。

ミーちゃんは山口の実家からこっち(東京)へ来るとき、一人だけ脱走しちゃったんです。
出発の時間になっても全然戻ってこなくて、もう出発しないと間に合わないっていうぎりぎりのタイミングで、ひょいって戻ってきてくれたんです。
これも父が「ちゃんと車に乗らないと連れて行ってもらえないよ」って言ってくれたんじゃないかって。

そしてうちに来てからも、登らないでほしいなあって思ってるところには登らないんですよね。食器とか置いてある棚とか、書類が置いてあるテーブルとか。段ボールの上には登るのに。
これも父が「ちゃんといい子にしてないとダメだよー」って言ってくれてるんですね、きっと。

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渡邉さん)
でもさすがにミーだって100点のいい子じゃないですよ、
この前も夕ご飯のおかずに焼いたお魚をペロッとなめちゃいました(笑)まあ、そこがかわいいんですけど。

リオ)
犬も猫も家族の一員としての自覚がちゃんとあって、家族みんなで頑張る、みんなで乗り越える。お父様の優しい導きに従って。
たぶんそれは家族にしかわからない空気感だと思うのですが、家族だからこそ、まるで最初からそうなることがわかっていたかのようにまるく収まる。
そんな空気感がとっても素敵ですね。


リオ)
最後の質問になりますが、お二人にとって動物はどんな存在か教えてください。

植原さん)
本当に、素晴らしい存在だと思いますよ。オギーちゃんが亡くなった時、天使だなって思ったんです。動物は人間に比べるとその命が短いじゃないですか。人間からすると一瞬生きて、幸せをくれて亡くなってしまう。僕は子供のころから考えると何頭もの動物の命を見てきましたが、愛するペットの死を何度も見てきているわけです。「愛するということ」と「死を受け入れる」という普遍的な概念を教えてもらっている気がします。
人間に対しても当然同じようなことが起きるので、ある意味の予行練習をさせてくれているのかもしれない。だから、とても勉強になるし、勇気をもらっている気がします。
冒頭にね、ゴゴが両親に連れて行かれたってお話しましたよね。

リオ)
はい。

植原さん)
ゴゴを預かっている間は、夫婦げんかがなくなったそうなんです。それを聞いて僕もじゃあいいかなって思ったんですけど、動物は本当に人と人の心をつないでくれる存在ですね。

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渡邉さん)
「かわいい」って思う気持ちって人間の気持ちの中でも大きく動くところだと思うんです。母性としての「かわいい」っていうのはかなり強い感情だから、見てると本当に精神が安定します。

昔、父は子煩悩じゃないタイプだったんです。
どちらかというと寡黙な方で。でも動物と一緒に暮らし始めてから、父はこんなに愛情深い人だったんだなって初めてわかったんです。初めて父のそんな側面を知りました。人に対しては不器用な人だけど、本当はこんなにも愛情深い人だったんだなって。そうやって父を理解できたのは本当にうれしいことですね。

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リオ)  
お二人のお話をお伺いして、「巡り合い」という言葉が浮かんできました。うちの子も私のもとに巡り巡ってきてくれて、短い生涯なのに、一生懸命生きて、私に幸せを分けてくれている。教えてくれているって思ったらもう、早く帰って抱きしめたくなりました。
植原さん、渡邉さん、今回は本当にありがとうございました。

植原 亮輔 │ ウエハラ リョウスケ
北海道生まれ。多摩美術大学デザイン科(テキスタイル)卒業。ブランディング、グラフィック、プロダクト、空間、映像、作品をつくって展覧会を開催する等、幅広くクリエイティブ活動を行なう。THEATRE PRODUCTSの仕事で第十一回亀倉雄策賞を受賞。KIKOFのブランドデザインで渡邉良重と共に東京ADCグランプリを受賞。

渡邉 良重 │ ワタナベ ヨシエ
山口県生まれ。山口大学卒業。独自の世界観で、グラフィック、テキスタイル、D-BROSをはじめとしたプロダクトのデザイン、「CACUMA」での服のデザインなど幅広く活躍。2004年に内田也哉子氏と出版した絵本『BROOCH』(リトルモア)は、世界の主要アワードで高い評価を得る(NY ADC・GOLD、ONE SHOW DESIGN・GOLD)。

共に長年勤めたDRAFTを経て、2012年1月にキギを設立。
昨年夏にギャラリー&オリジナルショップ「OUR FAVOURITE SHOP」を東京・白金にオープンさせた。
現在、クレマチスの丘にあるヴァンジ彫刻庭園美術館にて「KIGI in Crematis no Oka」展を開催中(4/2〜7/3)
昨年末から年始にかけて不定期マガジンというスタイルの作品集『KIGI_M』(リトルモア)を3冊刊行。

「KIGI(キギ)」 http://ki-gi.com