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愛知県岡崎市の東公園内にある「岡崎市動物総合センター・Animo(あにも)」。東公園内に動物園も隣接しており、広々として明るい雰囲気の施設です。動物園や公園があるため、自然と足を運んでしまうような施設になっているのが印象的です。こちらの施設では、東公園動物園の管理運営加え、動物の保護・治療また、管理・譲渡等様々な事業を行っています。今回LEONIMALは岡崎市動物総合センター・Animo(あにも)にお話を伺ってまいりました。全10回に渡り、センターで保護・収容される動物たちや、ペットと飼い主さんが抱えている問題、長期的な目線で捉えた子どもたちへの早期教育など幅広い取り組みに対してインタビュー形式でお届けしてまいります。第五回は高齢の方からの引取りの実情に関してお話をお伺いしています。

 


 

 

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LE:どうしても飼えなくなってしまったということで相談に来られる方もいると思うのですが、こちらのセンターではどういった内容が多いのでしょうか。

 

所長:やっぱり自分が高齢になってしまって、病気をしてしまったということで、飼えなくなってしまったというケースが多いですね。

 

LE:高齢の方からの引き取りが多いのですね。

 

所長:そうですね。あと自分で病気になって入院しちゃったから飼えないとか。経済的な理由というのもあります。飼う前はそんなにお金が掛かると思わなかったという事で飼い始めたけども、実際飼ってみたらいろいろワクチンとかいろんな予防のお薬とかそういうのでお金が掛かってしまうのでもう払えないとか。先程言いました、過剰に繁殖してしまって飼えなくなっちゃったというケースもあります。「高齢・病気」「経済的理由」「過剰繁殖」大体この3つくらいの理由で60%以上は占められています。

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LE:経済的理由となってくるのは過剰繁殖が原因なのでしょうか。

 

所長: いえ、少しニュアンスが違うと思うのです。飼い主本人が高齢だとか、病気という理由が、前年度よりは少し減ってはいますが30%前後はあるんですよ。そして、過剰繁殖っていうのが去年よりもぐっと増えてきて今年あたりは36%くらいです。経済的な問題っていうのが去年は11%で、今年は14%になっています。ただ聞き取りによる複数回答で全部聞き取っていますので、この3つっていうのはほとんどリンクしている場合が多いです。だからこの3つを抑え込まないことには引き取りが減るっていう事は無いのではないかと思うことはありますね。

 

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LE:なるほど。3つともお互いに関係しあっている。

 

所長:さっきも言っていた過剰繁殖でお金が掛かっちゃうというより、実はその逆ではないかと思います。飼っている人達が若い時には全く大丈夫だったとしても、当然少しずつお歳を召してきて、状況は変わってくるのですよね。最近は核家族だから、孫がいれば孫の御守をしなきゃいけないから、動物を飼っている暇はないよといいながらも、そういう人達が心の拠り所として犬や猫を飼われていると思います。飼っている時は自分がまだ50代や60代ちょっとだっていう事で、いや元気だから大丈夫と思ってしまうのですよね。でも、自分も歳取っていくけど動物も歳取っていくし、連れ合いも歳取っていきます。誰か一人が倒れたという状況になって、その時ふと気付くと飼っていた動物ももう介護が必要な状況になってしまうと、当然お金は掛かるし、時間は掛かるし、面倒を見ることも出来ないっていう感じになってくるのです。やっぱり自分が元気だと思っていると全然予測出来ないのですよ。当然ですよ。それが当たり前の話で。つまり、そういう現実があるっていう事ですよね。

 

 

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第一回「県内で最も厳しい譲渡制限、55歳未満に込めた思い。」
第二回「猫の飼育レベルの底上げ。」
第三回「飼い猫か、のら猫か、境界線があいまいな猫たち。」
第四回「飼い主がいない捨て猫のら猫への対処法は。」
第五回「高齢の方からの引取り」
第六回「大事なのは、どうしてここへ持ち込んだのかをきちんとヒアリングすること」
第七回「早急な“ゼロ”ではなく、本来の “ゼロ”を目指す」
第八回「アレルギーのある子もどう関わってもらえるのか。岡崎市内の年長児さんに来てもらうなかよし教室」
第九回「路上で死んでいる動物と殺処分される動物って同じ死かな、死に違いがあるかな、どっちがかわいそう?」
第十回「迷子の子だけではなく、事故に遭って亡くなってしまった子の飼い主も探す。返還率70%の裏側に職員の努力。」


 

写真:服部たかやす
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PROFILE
1970年愛知県生まれ。写真家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。独学で写真を学び、雑誌専属カメラマンを経て、写真家として活動を開始。“人”を中心に、土地、文化、歴史、自然を重層的に捉えて撮影するスタイルで作品を製作。ドキュメンタリー的な視点を持ちつつ、フォトグラフィー、アート、デザインの間を往還する写真を撮り続けている。01年、動物愛護センターに集められ、譲渡を待つ子犬をテーマにした写真集『ただのいぬ。』(PIE BOOKS&角川文庫)を発表。05年、世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催された写真展「ただのいぬ。展」は入場者5,000人を数え大きな反響を呼んだ。著書に『Do you have a home?』(ジュリアン)、共著に『写真以上、写真未満』(翔泳社)等。保護犬の存在を通じて犬と人との関係を考えるアートプロジェクト、「ただのいぬ。プロジェクト」の主宰。