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名古屋市動物愛護センターインタビュー第五回:譲渡されにくい子ではなく、譲渡されやすい子をボランティア団体さんへ。 | LEONIMAL リオニマル
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愛知県名古屋市の平和公園に隣接する「名古屋市動物愛護センター」。目の前には十分な広さのドッグランがあり、お散歩の時間には、職員さんに見守られながら楽しそうに走る犬たちの姿が印象的です。名古屋市は2016年度に犬の殺処分ゼロを達成し、大きな反響を呼びました。私たちが取材に訪れた際は丁度、中学生が動物愛護教室のため施設を訪れていました。平日ですが人の出入りが多く、明るい雰囲気の施設です。今回LEONIMALは、名古屋市動物愛護センターにお話を伺ってまいりました。犬の殺処分ゼロに至るまでの経緯や幅広い取り組みに対して全7回に渡り、インタビュー形式でお届けしてまいります。第五回は名古屋市が実施する画期的な譲渡方法のアイデアに関してお伝えします。

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LEONIMAL(以下:LE):犬の譲渡数はどれぐらいなのでしょうか。

島崎さん:犬の譲渡数は93頭です。そのうちボランティア譲渡は52頭です。

LE:猫の譲渡は、どれぐらいになるのでしょうか。

島崎さん:猫の場合は697頭です。内ボランティアさんへの譲渡は426頭です。

LE:ボランティアさんへの譲渡が非常に多いという印象があるのですが、やはり一般の方への譲渡に向かない犬や猫が多いということなのでしょうか。

島崎さん:いえ、実はそうではないのです。昨年、2017年の9月から当センターでの方針を変えました。一般の方が扱いにくい子を愛護団体さんやボランティア団体さんに譲渡するというのがそれまでの考え方だったのですが、そうではなくて、手のかかる子をセンターで抱えて、譲渡しやすい子をボランティア団体さんにどんどん譲渡していくという方法に変えたのです。

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LE:譲渡されやすい子は譲渡先を見つけるのが得意なボランティアさんへ、譲渡先が見つからない手のかかる子はこのセンターで面倒を見るというような役割分担をされているのですね。

島崎さん:そうですね。収容可能な頭数の上限を超えなければ、難しい子はここに残ってもいいのです。そういう風に捉えています。

LE:なるほど。とても画期的です。

島崎さん:私たちが譲渡するだけではなくて、ボランティアさんたちが新しい飼い主を探せる自信があるならその方がいいですよね。ですから、見た目や性格が一般の方の目にとまりやすく、譲渡がしやすい子がきたらボランティア団体さんにメールをおくって、お知らせしています。ボランティア団体さんと付き合いが長く、信用して付き合える関係性があるので、このような連携ができるのだと思います。

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LE:やはりこの方法は効果的なのでしょうか。

島崎さん:そうですね。回転が速くなるということだと思います。ボランティアさんは一般家庭の方がほとんどなので、扱いの難しい子が一頭いたらかかりきりになってしまうのです。それよりも、難しい子はうちでかかえるから、譲渡しやすい子をどんどんボランティアさんへ譲渡に出していく方が効率的です。特に咬むような子は譲渡されずに残ってしまいます。ボランティアさんでも手が出ない。ですから、譲渡されやすい子はすぐに譲渡してしまったほうが、センターの収容能力をより効率的に使えるのです。

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LE:殺処分ゼロの裏で愛護センターや、ボランティア団体さんや愛護団体さんに負担がかかっているという話もいくつかお聞きしますが、名古屋市動物愛護センターではその画期的な戦略があるので、誰かに負担が行くということがないように感じました。とても素晴らしい方法ですよね。

島崎さん:ただ、これはどこにでもあてはまるわけではないと思います。飼い主さんへの啓発や、子どもへの早期教育、地域ぐるみで少しずつ変わってきた、小さな努力の積み重ねがあって、引取り数の減少につながり、ようやくここにきて、“ゼロにできそう”という段階にきたので、戦略を切り替えることができたのだと思います。

LE:なるほど。長い間地道な努力があっての実現できる戦略ということですよね。また、長い間付き合ってきたボランティアさんとの信頼関係も非常に重要ですよね。

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第一回「小さな努力の積み重ね。名古屋市が犬の殺処分ゼロを達成した理由。」
第二回「一人の志高い人だけが頑張るのではなく、地域全体が少しずつ変わることが大事。」
第三回「名古屋市の野犬は数年前に払底。捕獲犬の返還率67%でもあとの33%はどこからきたの?」
第四回「引取り原因の1位が病気・入院・死去。高齢化社会の影響がペットにも。」
第五回「譲渡されにくい子ではなく、譲渡されやすい子をボランティア団体さんへ。 」
第六回「顔を見ちゃったからと言って選ばなくていい。あなたがもらっていかなくても処分しないから大丈夫。」
第七回「猫の交通事故死、殺処分数の約20倍。対策は室内飼いと避妊去勢。」


写真:服部たかやす
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PROFILE
1970年愛知県生まれ。写真家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。独学で写真を学び、雑誌専属カメラマンを経て、写真家として活動を開始。“人”を中心に、土地、文化、歴史、自然を重層的に捉えて撮影するスタイルで作品を製作。ドキュメンタリー的な視点を持ちつつ、フォトグラフィー、アート、デザインの間を往還する写真を撮り続けている。01年、動物愛護センターに集められ、譲渡を待つ子犬をテーマにした写真集『ただのいぬ。』(PIE BOOKS&角川文庫)を発表。05年、世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催された写真展「ただのいぬ。展」は入場者5,000人を数え大きな反響を呼んだ。著書に『Do you have a home?』(ジュリアン)、共著に『写真以上、写真未満』(翔泳社)等。保護犬の存在を通じて犬と人との関係を考えるアートプロジェクト、「ただのいぬ。プロジェクト」の主宰。