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その時熊本で インタビュー第1回:被災犬・被災猫の保護が始まった | LEONIMAL リオニマル
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2016年4月14日。最大震度7を記録した熊本地震では、人々の生活はもちろんのこと、ペットたちの置かれる環境も大きな影響を受けました。飼い主とはぐれたり、行き場を失ったペットたちが県保健所から運び込まれたのが熊本県動物愛護センターでした。

行政の現場で、ペットたちに何が起きていたのか。それを取り巻く人たちはどのような活動をしてきたのか。
LEONIMALは熊本県動物愛護センター 所長・熊本県健康福祉部 健康危機管理課 乳肉衛生班 課長補佐のお二人にインタビューさせていただきました。(※2016年12月取材当時の役職は「主幹(班長)」でしたが、現在の役職は「課長補佐」となります。)
日常から災害時にいたるまで動物福祉について考える上で、大変貴重なお話。今回から6回に渡り、連載でお届けします。


kumamoto_column _photo18LEONIMAL(以下:LE):いわゆる動物の「殺処分」という言葉だけ見れば、一般の方も知っていると思うのですが、実際どういう仕組みとなっているのかを正確に理解されている方はそれほど多くないかもしれません。

熊本県動物愛護センター所長(以下:所長):もともと私も県職員を経て、この動物愛護センターの所長に就任しました。運営は獣医さんと連携して行なっています。ここに来る前から業務内容は十分把握していたのですが、名称が当時は「動物管理センター」なんですね。。(※この取材が行われた2016年12月時点では熊本県動物愛護センターは熊本県動物管理センターという名称でした。)

LE:「管理」と「保護」とはまた違う意味をもつということでしょうか?

所長:地震が発生する前、保健所に収容されていた動物は、保健所で譲渡会を行なって行政として新しい飼い主を探す仕事をしてはいますが、それでもどうしても貰われない犬・猫がいる。人を咬んでしまったり、凶暴性があったり・・・そういった犬・猫が保健所からセンターに移され処分する仕事を委託されてきました。それが業務の中心だったわけです。
平成28年熊本地震が発生して、県の方から殺処分を止めるように指示が出ました。飼い主さんとはぐれて保健所で保護されたり、持ち込まれたりするケースが非常に多いので、被災犬・被災猫として個体管理をするようになったんです。

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LE:個体管理をされるようになって混乱はありませんでしたか?

所長:もともと殺処分を行なう施設だったので、動物を育てて譲渡するための管理ができる施設になっていないんですね。かなりの数を受け入れることになると気構えをしていましたが、本当に半端ない数でした。各保健所を廻って動物たちを引き取ってくるのですが、センターはどんどん増えていく状況でした。
個体管理するにあたって、どこで飼育するのか、餌をどうするのか、が問題となりました。
全国のボランティアさんたちがこの事態を知って、物資など援助くださったのが本当にありがたかったです。
ただし、物資が入ってくるようになったのは5月。4月はほとんど入ってこなかったんです。

LE:それはなぜでしょうか。

所長:運送会社さんからお電話をいただいて「持って行きたいんだけれども、道が渋滞してしまって、どうしようもない。通行できない箇所もあるのでとりあえず荷物をこちらでストックしています」と。やっと持ってきていただける目途が立ったのが4月の終わりでした。
いったん物資が届き始めると、今度はひっきりなしに届く。また、全国からの行政の方々もたくさん応援に来られました。
人も物資も一気に集まってきた中で、次なる課題は来た物資をどう管理するか、です。置く場所の確保から苦慮しました。

LE:どれくらいの量が届いたのですか?

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所長:全国からかなり物資が来ましてね。毎日、多いときには数社の運送会社さんがそれぞれ4トントラックで2往復する位です。
朝一でここに配送して、他の配送先もまわってから、夕方また荷物も積んでこちらに持って来られる、という状態が続きました。

LE:物資を送ってくださるにあたって、ご連絡はどのようにされていたのですか?

所長:県へ問い合わせいただくこともありましたし、動物愛護団体さんを通じて、ということもありました。県のホームページにも足りない物資の情報が発信されてもいましたので、様々な種類の物資をいただきました。
ただ、一番困ったのが、とてもありがたいんだけれども、多種の物資を一緒に梱包されていると仕分けに苦労するんですね。振り分け作業が大変でしたね。

※この取材は2016年12月に行われました。


震災下の混乱の中で、個体管理体制の前段階での大変な苦労がしのばれるエピソードでした。第2回では、動物愛護活動への注力、譲渡会への取り組みについてお届けします。


6回に渡るインタビュー、各回の記事はこちら
その時熊本で インタビュー第1回:被災犬・被災猫の保護が始まった

その時熊本で インタビュー第2回:人とのつながりが動物を救った

その時熊本で インタビュー第3回:地震は動物の出産時期に起こった

その時熊本で インタビュー第4回:迷い犬・迷い猫にしないためにできること

その時熊本で インタビュー第5回:取り組みを続けていく・知ってもらう

その時熊本で インタビュー第6回:地域と一緒に生きる飼い方を