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愛知県岡崎市の東公園内にある「岡崎市動物総合センター・Animo(あにも)」。東公園内に動物園も隣接しており、広々として明るい雰囲気の施設です。動物園や公園があるため、自然と足を運んでしまうような施設になっているのが印象的です。こちらの施設では、東公園動物園の管理運営加え、動物の保護・治療また、管理・譲渡等様々な事業を行っています。今回LEONIMALは岡崎市動物総合センター・Animo(あにも)にお話を伺ってまいりました。全10回に渡り、センターで保護・収容される動物たちや、ペットと飼い主さんが抱えている問題、長期的な目線で捉えた子どもたちへの早期教育など幅広い取り組みに対してインタビュー形式でお届けしてまいります。第十回は、最後まで看取るところまでやって終生飼育と考え、迷子の子だけではなく事故で亡くなってしまった子の飼い主がいないかどうかも徹底的に確認し、返還率70%以上の裏側で職員さんの不断の努力が伺えるお話でした。

 


 

 

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所長:迷子の犬がいると、近所に住む登録のあるお家へ一軒一軒、片っ端から電話をしています。我々は、絶対にみつけるという気持ちでやっています。そのかいもあってか、岡崎市の返還率は70%。非常に高い返還率です。

 

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LE:飼い主さんの反応はどのような感じなのでしょうか。

 

所長:見つけたとしても、飼い主さんは、散歩していただけだから、そのうちもどってくると思っていたというような感じで。

 

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LE:なるほど。

 

所長:マイクロチップの装着事業をやり出したときから、せっかく事業をやるのであれば、どのくらいの犬猫が飼われている子なのか確認しないといけないよねという話になって。路上で死んでいる動物は、回収車が回収した後ここへ一回全て入るのですが、野生動物は別ですけど、犬猫は全て死んだものは全て確認して、迷子届けが出てないかどうか、拾ってきた近辺で出てないかどうか、もう一つはマイクロチップが入っているかどうかを全部確認しています。確認した後保冷庫の中に入れて数日まとめた分をまた持っていくという形にしています。全てやっています。マイクロチップの装着の推進事業をやると言ったら、ここまでやらないとマイクロチップをする意味が無いよねって。動物はやっぱり、ちょっと古い考え方かもしれないですけど、看取るところまでやって終生飼育だと思うのです。看取るっていう事をやられていない動物がどの位いるのか。看取りたくても看取れなくて逃げちゃったやつがもしそこで見つかったらやっぱり飼い主さんにお知らせをしなきゃいけないという事で、24年か5年から始めました。その中に埋め込まれていたマイクロチップの数も出ます。去年だと猫が639頭、犬が6頭でした。路上死亡の数です。こういったこともやっているので、夏休みの自由研究などでは、必ず子どもたちに聞いています。正しい正しくない、良い悪いではなく、考えてもらうのです。路上で死んでいる動物と殺処分される動物って同じ死かな、死に違いがあるかな、どっちがかわいそうかなって。

 

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第一回「県内で最も厳しい譲渡制限、55歳未満に込めた思い。」
第二回「猫の飼育レベルの底上げ。」
第三回「飼い猫か、のら猫か、境界線があいまいな猫たち。」
第四回「飼い主がいない捨て猫のら猫への対処法は。」
第五回「高齢の方からの引取り」
第六回「大事なのは、どうしてここへ持ち込んだのかをきちんとヒアリングすること」
第七回「早急な“ゼロ”ではなく、本来の “ゼロ”を目指す」
第八回「アレルギーのある子もどうかかわってもらえるのか。岡崎市内の年長児さんに来てもらうなかよし教室」
第九回「路上で死んでいる動物と殺処分される動物って同じ死かな、死に違いがあるかな、どっちがかわいそう?」
第十回「迷子の子だけではなく、事故に遭って亡くなってしまった子の飼い主も探す。返還率70%の裏側に職員の努力。」


 

写真:服部たかやす
プロフィール写真002 - コピー
PROFILE
1970年愛知県生まれ。写真家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。独学で写真を学び、雑誌専属カメラマンを経て、写真家として活動を開始。“人”を中心に、土地、文化、歴史、自然を重層的に捉えて撮影するスタイルで作品を製作。ドキュメンタリー的な視点を持ちつつ、フォトグラフィー、アート、デザインの間を往還する写真を撮り続けている。01年、動物愛護センターに集められ、譲渡を待つ子犬をテーマにした写真集『ただのいぬ。』(PIE BOOKS&角川文庫)を発表。05年、世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催された写真展「ただのいぬ。展」は入場者5,000人を数え大きな反響を呼んだ。著書に『Do you have a home?』(ジュリアン)、共著に『写真以上、写真未満』(翔泳社)等。保護犬の存在を通じて犬と人との関係を考えるアートプロジェクト、「ただのいぬ。プロジェクト」の主宰。